名前を下さい

我に返った私は就職活動を再開しようとしました。

声はまだ少し聴こえていました。

オミヤなのかは分かりませんが…

私のそばには誰かがいて語りかけていました。

どうやら私のことを仲間だと思っている様でした。

審査はもうありませんでした。

活動するために名前を考えてください』と声は言いました。

ハンドルネームを幾つか考えましたがボツにして終わりました。

何人か声は名付けてもらったと喜んでいました。

何だかよく分かりませんでした。

この生活に耐えられず家族に相談しました。

そうしたら心配した母に寄って田舎に隔離されました。

田舎への移動中に声は何百という声は4人前後になっていました。

『ほんとうだ』『くちおしや』『わたしってすごいでしょ』

声は支離滅裂でまともな内容では無くなっていました。

誰もいない空港の椅子で『ヤマザキナビスコ』とおばあさんの

ウィスパーボイスが聴こえました。なんだ…リッツか…と思って

そこにあった箱を裏返しにすると『ヤマザキナビスコ』と書いてありました。

やはり幻聴らしくない幻聴でした。