会社を辞める頃、首に違和感を覚えました。
首が切れた感覚と共に気を失ったあの日を思い出しました。
男性2名女性1名の声の訪問者がまとわりついて
『会社の仲間にするために、あなたの魂が欲しい』
『昔はオミヤ、今は会社と呼ぶのです』という様に語りかけて来ました。
訪問者は初めは友好的でしたが仲間にならないと知ると
精神的に傷つけそうな言葉で攻撃を仕掛けてくる様になりました。
しかし相手にしなかったのでいつまでも憑いて来ました。
即日解雇の病院送りの帰りで脱力状態でした。
訪問者の声はしつこく精神を犯そうと嫌な言葉ばかり続けていました。
きっと心が負けると魂を奪われるに違いないと少し思いました。
しばらくすると回線端末から声が聴こえました。
『もしもし!聞こえますかもしもし?もしもし!』
何度目かのもしもしだったでしょうか。声が増えました。
『もしもし!技術探偵社です!聞こえたら返事してください』
何だかよく分からないので返事はしませんでした。
なんだったんだろう…。
そして何かの事件で家を調べられる声が聞こえました。
そういえばいくつか会社の様な訪問者は『もしもし』と
片手でポーズを決めて連絡を取り合っていました。
病気が再発したと家族が驚き、また田舎に送られました。
鬼女達は毎晩枕元に座り、私の頭に手を突っ込みかき回したり
チクチクと刺したりしてきました。
逃げられず痛みの中で既視感を覚えました。
でも昔と違い直ぐには障害者に戻りませんでした。