石に悪霊が入っていたのは間違いがありませんでした。
物理的な霊障が一時的に止むのは石の置き場所を動かした時なのです。
機嫌が悪かった私は激しい浄化を試みました。
霊信(金属)と霊気(ゴム)をある程度防ぐと思われる物質に
石を包んで霊を溶解しやすいと思われる水を入れ込み
砕いた磁石と一緒に音の浄化をひたすらかけました。
浄化された霊を固定するのに強い霊力なんてものはないので
火を使いました。思い切ってコンロの火を使ってしまいました。
声の訪問者は言いました。
『純粋な意思の魂を感じるよ』
『もしかして精霊じゃないかな』
『精霊じゃないかな』
『どう見てもバカ女だけど浄化されてるのかなあ』
『何も言葉が通じないよ』
『精霊じゃないかな』
『これは精霊じゃないかな』
火で固定したせいか精霊の様なものは石から離れられませんでした。
声の訪問者は言いました。
『お育てするのじゃ〜!』
『俺が育てる!』
『私の好きなことから教えるのよ!』
『まずは挨拶からだ!おはよう!こんにちは!』
《おは…よ…う…》
『かーわいい!』『かーわいい!!』
『あ!そこにある丸い猫の置物と同じ形になってくれたぞ!』
『かーわいい!』『かーわいい!!』
《こ…ん…にち…わ…》
『かーわいい!俺のだ!!』
『私のよ!』
『ああああああ!引きちぎって持ってくなーー!?』
『わしの初めてのペットがー!?』
これは人工精霊というものだったのでしょうか?
どこへ行ったのかも良く分かりません。